■ 満ちる霧がこの旅を繋ぐ
俺と生きてくれてありがとう
Thank you for living with me.
『絶海の世界』の報告ノートの最後には、
そう書かれている。
サートの腕の中にはこのノートと、
大事なお守りが入っている。
「泣いてるの〜?」
「ばーか、冒険者として最高の旅立ちだったよ。
……『後輩』の前で泣かねえよ。」

この日をもって、『たずねびと 冒険者』の張り紙は撤去された。
今は馴染みの顔の帰還と、
新たな仲間を歓迎するために、
山のカンムリ亭はちょっと忙しい。
さみしい時はこの海と島を思い出す。
生きるか沈むかのせとぎわを過ごした7日を。
そうして明日からは、宿の目覚ましのベルで目を覚まそう。
明日は、朝靄のかかる海の国で。