■ 海辺に思う
予定の連絡も無く、家出か誘拐か……なんて心配もされていたみたいだったけれど。
シロイルカのぬいぐるみを持って帰ったせいか、観光旅行扱いされてしまった。
母にはおみやげをねだられたので、仕方なく漂流船から引き上げたネックレスを渡した。
まあこれは別に思い入れもないし。
手元に残ったのは、つぐさんが用意してくれた脱出道具の残り、作れなかった船の設計図(ロマンを感じて持ってきた)、骨で作ったサイコロ(『太陽』の名付け元だ)、このプラ材とかいうものも……珍しいけれど、使い道はないかな。
つぐさん、すずほさんとの協力が無ければ……2人が優秀だったから、裏切るような人間ではなかったから、「楽しかった」で済んでいるのだ。
つぐさんのパンケーキやお茶、サンドイッチ……美味しかったな。
薪を見ると、斧を持ったすずほさんを思い出す。サメステーキも癖になる味だった。
つぐさんがもらっていたあのぬいぐるみは、何のぬいぐるみだったんだろう?
2人は無事に帰ることができただろうか。
あの島に漂流してきた理由も聞いていなかったし、船では帰るだけではなく、望む世界に届けてくれるとも行っていた。
ただ……みんな帰ることを選ぶだろうとはなんとなく思った。
ジーランティスという世界のことは誰も周りでは知らなかったが、短期間に異世界を往復し、無事に帰還できたのは幸運だろうと言われた。