Eno.308 ケルビン

■ 遠い世界のきみたちへ

ハレルーヤ
アレルーヤ



海賊のおねえさんが言うには、この海は願えば叶う海だという。
外界とは隔絶されているという事なのでしょうか。
通信機がずっと通じないのもきっとそのせいなのでしょう。


天界に戻るために……ぼくも天界を想って祈りつづけましょう。
迷子のぼくを、見捨てるような事は絶対に無いはずです。


おねがいします、天使長さま、天に戻していただければ、
今度は寝ぼけて歩いたりしませんから。



あの島で分かれてしまった人達は今頃どうしているのでしょうか。
この船に乗っていないということは、救助船の方に、きっと乗っているはず。
そう信じましょう。


天使長さま、願わくば
あの島で分かれてきた人達にもどうか、どうかお導きを。




ロジータさんに促され、深く、深く深呼吸。
最後にもう一度、船の上で静かに祈りをささげた。
数分後、暖かな光をかすかに感じて空を見上げると、雲の隙間からはしごが降りていた…





……こうして天界へと戻ったぼくは、今度は下界に落っこちた天使が
いないかどうか、毎日下界を様子見する役目を背負うことになりました。

雲の隙間から、そっと望遠レンズをつかって下をのぞき込むお仕事です。
いつの日か、ぼくのように天界から落ちてしまった天使がいたら
今度はぼくが助けに行く事になるでしょう。

たくさん天使長さまには怒られましたが、あの島で過ごした7日間、
とても楽しく、驚きの毎日でした。皆さん今頃元気にしているでしょうか。





今日もぼくは望遠レンズを覗きながら、あの不思議な海に囲まれた島を探すだろう。
とびっきりの冒険をした、あの島を。