■ エピローグ:磨かれた指輪とおヒトデ様
やれることを尽くした成果はあったようだ。
僕たちが島を出た後、他の船が島へ近づいていくのが見えた。この船に乗れなかった人も、これで助かる。
僕の手元には僅かばかりのお土産がある。父さんと飲もうとして時間がなかったハーブティーと、最初にこの島で見つけてから捨てられず、磨いて持ち歩いていた指輪。あと、命を助けられたおヒトデ様の粉末。
あと、思い出。ここは母さんが言っていた「異なる世界の交わる場所」だとわかった。みんな、本来なら交わることのない存在同士なのだ。
元々父さんと母さんが出遭って僕や妹たちが生まれたのもそんな場所だった。でももう閉ざされてしまって行けないんだとか。
ここにいるみんなとは、また会えるのだろうか。もう二度と会えないのだろうか。
いや、違う世界でみんな元気に過ごしていくだけ。寂しい気がしないではないけど、それは喜ばしいことなんだ。
大丈夫。僕はやっていける。とりあえず帰ったら母さんを懲らしめないといけないんだから。