■ さよならジーランティス
***

「おーい。なぁに吹き込んでんだ」

「──げ、師匠。
いや、シマシマからアドバイスを求められたんだってば!
ホントホント……あはは……」

「自分を中心に、ありのままを……だっけ?
バァカ、ただ単にお前の問題だろーが。ピュアじゃなくなったお前の」

「でもまぁなー、あながち間違っちゃないが。
子供の頃にしかない感性ってモンは確かにあるからな。
ただ……」

「一生に一度しかない経験だってある。
問題は経験の真っ最中では、それの判別がつかないことだ。
ましてや子供のうちなんて取捨選択以前の問題だ」

「ねぇ師匠〜。シマシマが口ぽかんとさせてるんだけど」

「決まりなんてないんだ、自由に書け」

「し、師匠〜。それもう先に言ったってば」

「…………。
……シマシマよ。お前は今、何を見て、何を思った?」
***
ふねにのっています。
みんなでつくったふねです。
いよいよこのしまとおわかれする日がやってきました。
いいえ、しまだけではありません。
あたしとおなじように、どこかからながされてきて、このしまで力をあわせてくらしたみんなともおわかれです。さみしいな。
なぜなら、みんなにはそれぞれ、もともといたせかいがあって、いっしょにいた人がいて、かえるべきばしょがあります。
だいたいの人は、そうです。
あたしも、そうです。
ししょーのところにかえりたいです。
まじょのおねーちゃんたちやあくまのおにーちゃんがいるところにかえりたいです。
でも、これがみんなといるさいごだっておもうと、やっぱりさみしいです。
もうバイバイしなきゃいけないのに。
みんなとすなはまでであった日。
キノコをめぐっておおさわぎした日。
あらしにそなえてきょてんをつよくした日。
アヒルちゃんでアヒルバトルした日。
キノコで7いろにひかった日。
みんなでそざいをかきあつめてふねができた日。
みんなでおいしいごはんをたべて花火を見た日。
すっごく大へんだったけど、あたしはどの日もわすれません。
ぜったいにわすれたくないです。
わすれようとしても、わすれられないのかも。
まほうをかければずっとおぼえてられるかな。
わすれないってわかってるのに、あたしたちはさいきょうなのに、どうしてなみだがでるんだろう。
ねぇおしえて、ししょー。