■ 拝啓、いつかのそうなんちゅへ
これを読んでいる頃には、それぞれの場所でそれぞれの生活を始めているだろうか。
俺は、元の日常に戻っている。
俺は戻っているけれど、きっとお前たちには想像できるかもしれないし、できないかもしれない日々を送っている。
俺は今、無人島でのサバイバルより厳しいところにいる。常に誰かと誰かが争い、考えを押しつけたり、奪い合い、時に命を狩ることをしている。
そんな世界に戻った俺は、流される前と同じように誰かを蹴落とし、命を狩る日々を送っている。
信頼できる奴らはいるが、どこか疑ってしまう。
なぜあの島にいた時、なんとなく信頼出来たのか、不思議に思う。
望んでやっていることかと言えば、そうではない。
立場上、ただこうするしかない。諦めている。
どこかでいつか、終わることを望んでいる。
お前たちはあれからどんな日々を送っているのだろうか。微かにそう思いながら俺は俺の生活を送っている。
話が逸れた。言いたいこと、なんだっけな。
…あぁ。
あの時はどうもありがとう。
7日間っていう短い間だったが、それなりに楽しかった。最初はただ騒がしくてこの先どうなることかと思っていた。
だけど、お互いに助け合って乗り越えて、肩を並べて、一緒になって笑って騒ぐことができたのは嬉しかった。
思い出すといろいろあったな。
水を作ろうと必死になったり、テントが出来たらこぞって中に入って寝たり、キノコで騒いだり、嵐の中で止めておきながら出て行ったり、アヒルバトルしたり、船作って、宴をして、船に乗って朝日を見て、しばらくは船旅をして。
今でも思い出す。思い出せる。今だからこそだと思う。
だから、これを書いたのは、あの島での思い出をこれから先思い出すためなんだ。
もしも、これを読んで思い出せたのなら、なんか嬉しい。…別に覚えているのならいいが。
とにかく、これだけは言おう。
ありがとう、また会える日を楽しみにしている。

スイと名乗った男より