Eno.471 ガウラ

■ So long, and thanks for all the fish.

間違ってなければ今日が7日目。今はこれを船の上で書いてる。

本当に色々あった。小屋を立てたり(僕が建てたんじゃないけど)、釣りをしたり、弓で獲物を取ったりもした。
そして生きたウサギやイノシシを仕留めて食べたりもした。最初は怖かったけどすぐに慣れた。

あとは難破船の中を探検したりもしたな。
これも怖かったけど、どっちかっていうと楽しかった。
もう二度とこんなことはできないかもな。

このまま帰ったら僕はどうなるんだ? というか、僕はどこに帰るんだ?
何をしていたか思い出せないけど、なんとなくひどく退屈な毎日だった気がする。

どうすればいいかわかんないな。

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(……古びたノートの続きに、新しい筆跡で書かれている。)


ずいぶん懐かしいものを見つけた。これはあの時に使ってた日記帳だ。
あの青い空を見たのはいつだったっけ。

みんなで作った船に乗って、孤島から脱出したあの日。
あれからずいぶん経ったような気がするけど、今でもあの空は覚えてる。

今の僕は、この海を巡視する船に乗って救助活動をしてる。
あの日の僕たちみたいに孤島に流され、助けを待っている人たちを助ける仕事だ。

何日も漂流生活を続けているうちに救助活動をしている人々に出会い、僕からお願いして入団させてもらった。
当然危険だし色々なことがあるとは言われたけど、どうせ帰っても待ってるのは味気ない貧相な人生だけだ。
だったらこの空の下でしばらく生きていたいなと思ってお願いした。
(人手不足で困っていたのか、結構快くOKしてもらえたのは覚えてる……)

どこまでも青が続く世界と緑の孤島で、今までに色んな人や色んなものと出会った。
それはもうたくさん、ここにはちょっと書ききれないぐらいに。(別の意味で書けないこともあったしね)

最近はそんな人やものを忘れたくないから、スケッチや写真を始めてみたりもした。
船内の僕の部屋にはそうやって色々な思い出が増えてきた。
あの7日間で作った道具たちもずっと大事に飾ってある。
(今でもまだ使ってるよ!)

まあ、今の僕は楽しくやってるよ!色々大変だけどね!
あの時一緒に過ごした皆にこれが届くことはないかもしれないけど、後で写しを一緒にボトルに詰めて流してみようかな。

ボトルと言えば、島を出る前に流したボトルメッセージはあれから誰かの手に渡ったかな?
書き出しは"いつか、此処に流れ着いた貴方へ"だったっけな。