■ 失火楽園メランコリー!
僕のいた街はお世辞にもいい場所とは言えなかった。
四方を城壁みたいな立派な壁に囲まれてるのに、それに守られているはずのここはまるで治安が最悪で。
外敵から街を守っているのか、外を街から守っているのかわからないような有様だった。
子供たちは身を寄せ合って生きていた。
怖いことをする大人と、優しい大人を見分けて、頑張って取り入って、役に立たないといけないから。
そんな暮らしが嫌になって、抜け出そうって思い立って、見張りの人が入れ替わる瞬間を狙って、いつも連んでた子たちと一緒に壁の外に出た。
たまたま出た場所が悪かったんだ。
そう信じるしかない。
だって、目の前が断崖絶壁だなんて誰が信じる?
何のための壁だよ、って感じじゃない?
そこからはあっという間だった。
僕のいた場所だけが崩れて、海に投げ出されて。
助けようとした子が止められてるのを見た。
僕の名前を呼んでた、けど、
名前が、名前が、まるで
靄がかかったように思い出せない。
…僕の名前、なんだっけ?!
まあ、しばらくは…うん、これでいいや。
サミュ、ってことで。よろしく。
#クレナイ日記