Eno.611 わたいぬ

■ プロローグ

二〇二二年十月。北国の、大地の話だ。
さむくて、あたたかいところ。

おとうさんと、おかあさんを探して、
白い世界を歩いていた。

あっちまで行ったのかな。

子犬は、海に這う、氷の端まで歩いた。