■ 《2: アノーヴァ・ピィヴァルの日記 - 幾つかの出会い》
この島に流れついてしまったのは、私一人ではないらしい。
少なくとも、三人はここにいた。
一人は、桃色の体をしたサメのお方……サメーンさんという。
彼女はおそらくオルタナリアのニンゲンではない。海底王国という、きっとウミの国に似ているのだろう場所から来たという。
明るく、そのうえ親切な方だ。気を失っていた人魚の女の子を運ぶのを手伝ってくれた。
その人魚の女の子はというと……名前はわからない。
彼女は言葉をしゃべることがないのだ。
私を見て怖がってもいた……この状況におびえているのかとも思ったが、どこか今に始まった感じではないように見える。口がきけないのとも無関係ではないかもしれない。
幸い、同じ海の住人であろうサメーンさんには心を許してくれそうだ。どうしても怖がらせてしまうようなら、彼女にお世話をまかせることも考えられるだろう。
あともう一人はいるようだ。どこかから物音がした。
助け合える相手だと信じたい。
……そして、私たちの他にも。『いる』ではなく、『いた』だけど。
浜辺に落ちていた一通の便せんに、かつてこの島を訪れたものからのメッセージが書かれていた。
このあたりには七日に一度……船が来るという。
一人も欠けることなく生きのび、その船に乗ろう。
誰かがいなくなってしまうのは悲し
[* 文章はここで途切れ、紙はぽつぽつと濡れた形跡がある]