Eno.355

■ 其の一 遭難

気が付けば孤島。
そうなんだぁ。
なんて事を言って、俺はここに遭難していた。

元々俺は何をしていたんだっけ。
そうだ、滝行をしてたんだけど途中で眠って─────。
嘘……それが本当だったら俺川から海まで流れてここに着くまで
ず〜〜〜〜っと寝てたの……?
強すぎるってのはここまで龍を堕落させちゃうんだな……
ま、これも一つの修行って事にしよう。

ありがたいことに俺以外の遭難者に物騒な人は居なさそうだ。
どんなところでも平穏が一番さ、そうだろ?
争いの種を摘む必要も無さそうだし安心だよ。
なんなら助け合いを始めようとしているんだ。
凄くいいよ、ここに住んでも良いかも。
帰るところは皆あるからそれは叶わないんだろうけどね。
ゆるく、ゆっくり、生きていきますか、っと。