Ino.62 ニューリゾートアイランド島
PL合わせはありません。ゆるゆると、どなたでもどうぞ。RP推奨。
STATS
2人 / 人数
カジュアル / 難易度
スモール / 広さ
OVERVIEW
誰でも歓迎。のんびりRP推奨。途中参加も遠慮なくどうぞ。
FACILITY
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施設名
説明
場所
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ニューアイランド洞窟ホテル
(元施設:拠点)- 風雨から身を守る、漂着者の活動拠点。エリア『拠点』が開放される。
この施設は設置時自動的に拠点へと設置される。 拠点
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洞窟スイートVIPルーム
(元施設:拠点)- 風雨から身を守る、漂着者の活動拠点。エリア『拠点』が開放される。
この施設は設置時自動的に拠点へと設置される。 拠点
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リゾートヘブン洞窟ホテル(改築)
(元施設:拠点)- 風雨から身を守る、漂着者の活動拠点。エリア『拠点』が開放される。
この施設は設置時自動的に拠点へと設置される。 拠点
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DXラグジュアリー洞窟ルーム
(元施設:拠点)- 風雨から身を守る、漂着者の活動拠点。エリア『拠点』が開放される。
この施設は設置時自動的に拠点へと設置される。 拠点
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ニューリゾート開放式露天風呂
(元施設:ドラム缶風呂)- ドラム缶に海水を入れて沸かしたもの。設置場所にてアクション『お風呂』が使用可能になる。
拠点
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ニューリゾートホテルキッチンルーム
(元施設:窯)- 効率よく火を燃し、様々なものを高温で焼くための装置。設置した場所にて一部のレシピが開放される。
拠点
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倉庫
- 木々を使って建てた物置。拠点に荷物アイテムを保管できるようになる。
森林
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ホテルのウォークインクローゼット
(元施設:倉庫)- 木々を使って建てた物置。拠点に荷物アイテムを保管できるようになる。
拠点
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快適作業スペース
(元施設:倉庫)- 木々を使って建てた物置。拠点に荷物アイテムを保管できるようになる。
拠点
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ニューリゾート露天風呂用貯水槽
(元施設:コンテナ)- 液体を溜めるための簡易的なコンテナ。拠点に液体アイテムを保管できるようになる。
拠点
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ニューリゾートヘブンファイアー
(元施設:キャンプファイア)- 土台に木々を組みあげて焚き火をより扱いやすくしたもの。設置した場所にて一部のレシピが開放される。
拠点
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ニューアイランド洞窟クーラールーム
(元施設:氷室)- 断熱性をもち熱を奪うもので敷き詰めたつめた~い空間。設置した場所で一部のレシピが開放される。
拠点
TEXT LIST
漂着者一覧
チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「はいっ。
これからも、たくさんたくさん、
二人で分けっこしちゃいましょうね」
これから先に待っているものは、
この狭い無人島のなかでの比ではないくらい多種多様。
しかしそれは、あのどす黒い嵐のように恐ろしいものではない。
心が踊るような、輝かしくて色とりどりの未来だ。
「……あ。社会人のかただったんですね。
いいなぁ……。
……ね、ね、ニコせんぱい。
船のなかで、どんなお仕事してるか教えてくださいよ」
「ふふふ。そうですね!
第一島民の座も、一番風呂も、み~んな分け合ってきたんですから!
頑張ったで賞も、二人でもらっちゃいましょう!」
このあなたの花咲くような笑顔を、たくさん見られるといいなと思った。
だってこんなに可愛いのだから。
そう思えば自然、こちらまでもがこの島に来て一番の笑顔に。
「ゴハン、いいですね~!
サメじゃなくても二人で食べれば美味しいこと間違いなし!
遠かったらこっちから会いに行っちゃいましょう! なってよかった社会人~!!」
そう賑やかに話し込みながら、小舟へとたどり着き。
船の乗員へ日本語があっさり通じたことに拍子抜けしたり喜んだり、船の大きさに驚いて探検してみたり。
くるくると表情の変わる、一人でも人並みより随分とやかましい女だ。
長い長い船旅の間でも何かしらを考え出して、よく笑っているに違いない。この島にいた時と同じように。
そしてその隣に、あな
(……あれ?
今の言い回し、結婚とかそんな時のやつではっ……!?)
……微妙に冗談が通じていないのだが。
とにかく、まぁ。
無人島でも船の中でも、わちゃわちゃドッタンバッタン。
退屈することは、なさそうである。
──それはきっと、これからもずっと。
「……ありがとうございます。
でもっ、ニコせんぱいも、ほんとにがんばりましたから……
今回も、ふたりとも。がんばったで賞、ですっ」
ぱ、と満面の笑顔を見せる。
……きっと。日本に戻ってからも、困難は多いのだろう。
しかし、そのいずれもが、
きっと、建物も電気もないなかで大嵐に耐えたことや、
ひとりで大きなサメを釣り上げたことに比べると、
ちっぽけな障害に思えるかもしれない。
なにより今度は、信頼できる人が傍に居てくれる。
「はい! いきましょう!
もちろんですっ、言われなくてもこっちから教えてましたよ。
おうち、近いといいなぁ……ゴハンとか食べにいきましょうね」
思い描く未来は、島に来たときよりもずっと現実的で、
それでいて色鮮やかに輝いている。
同じようにあなたの手を握ったまま、
少女もまた、一歩を踏み出し──
「そうですよ。
カナさんは、とーっても、がんばりました」
そう笑って、空いた片手であなたの頬を撫でる。
この島で作ったすべても、小さな胸にその事情をずっと抱え込んだことも、そう称えられるに足るものだ。
今は胸の奥に再びしまわせてしまったそれを共に受け止めていく時間は、きっとあの船の上。そこから続く陸の上の、未来にあるはず。
「私も、カナカナさんと一緒ならニューリゾートヘブン超え、絶対できるって思ってますよ~!
これからも末永く……ふつつかなものですが、どうぞよろしくお願いします!」
などとおどけて頭を下げて、そうする頃には船はもう間近まで迫っていた。
船体から下ろされた小舟が、はっきりとこちらへ向かってくる。
「おお、もう行けそうですね!
船の上なら、メモとかもきっとありますよね。
住所教えてください、住所! それにLIMEに……」
「ふふふー、今頃きっと卒業証書が家で笑ってくれていますよ!
ありがとうございます、ではでは先輩の威厳、お見せしまっしょい」
持ち上げると本気で乗るタイプだ。
絵に描いたようなドヤ顔とともにニコイングリッシュで船へ乗る決意を決めると、口を一旦噤んでしまったあなたへ、じいっと向き直った。
この女には珍しく、何も口にすることなく。静かに、あなたの言葉が出てくるのを待って。
「……、」
空いた手で、目じりを拭う。
そこにどんな感情が渦巻いていたのか。
きっと、もう明かされることはないのだろう。
あなたがそれを選んだ。
けど、それは些細なことなのだろう。
そして、これから先にも、必要がないことだ。
「……はい、……はいっ!
ニューリゾートヘブンは、これでおしまいかもしれないけど……
……ニコせんぱいと一緒なら、
もっと素敵な楽しいことが作れるって、……そう、思います。
だから……これからも、宜しくお願いします……ね?」
「……ふふっ。
ニコせんぱい、英語うまいじゃないですかっ。
きっとそれで大丈夫……
……というか、こんな島に船もなしで二人なんです。
遭難したんだって、言葉がなくても分かってくれるかも」
ああ、でも、ニコせんぱいの英語、もっかい見たいなぁ。
なんて、うそぶいて。
それから……あなたに向き直る。
「……ああ、いえ。
私が、帰りたくなかったのは、……」
そこまで言いかけて。
じっと、じっとあなたの瞳を見据える。
やっぱり、きれいなおめめだなぁ。
……、
「……はい。がんばり、ましたもんね」
そうして、頷いた。
ニコせんぱいは、きっと分かってくれている。
その上で──こうして、笑いかけてくれているのだ。
それはたぶん、私のためで。
そう思うと、自然と、
「あんなにがんばって、いろんなもの、作りましたもんねえ。
離れたくないってちょっと思うのは、そりゃあ……あります」
そんな話ではないことは、なんとなくはわかっている。
脱出手段について話した時のあなたの様子は、そういうものだった。
だが、間違いなく。
汽笛にまず顔を上げて、ここに連れて来てくれたのは、あなただ。
「……でも、これで終わりじゃーないですよ。
帰ったら、作ってみましょうよ。また二人で!」
だから常通りに明るく、女はそうのたまうのだ。
この先も、はぐれないように居たいと。
力が抜けたって手を離していないのはこちらも同じだ。
今更はぐれるのは、イヤなのだ。
この、だだっ広いとはいえ見失いようもないような砂浜で、どうやってはぐれるのかはさておき。
「う~ん……そうですね!!
アイムジャパニーズ! アンドユー!
エスオーエスプリーズ! オーケー!?
これくらいでなんとかなりますかね!? 非常事態ですし!」
ユー、で指すのはもちろんあなただ。
そんな予行練習もそこそこに、握られた手に力が加われば、視線はそっとあなたの方を見た。
「は、……」
同じように、力が抜ける。
ともすれば、そのままへたり込んでしまいそうだったが。
手を繋いだままだと、あなたまで倒れこんでしまうので
それはどうにかガマンした。
じゃあ、手を離せばいいじゃないかって。
なんだか今は、そうしたくなかったのだ。
「……はい。どうやら……そうみたい、ですね。
ふふ。英語、できないです。
でも、ほら、“ジャパン”くらいは通じますよ。きっと」
今までで最も現実的な、文明的な構造物と人工の光。
それを眺める少女は、それなのに夢を見ているかのような調子だった。
……力が抜けた指先が、もう一度ぎゅっと。
「……リゾートも、おしまいですね。
色々たいへんだったし、嵐は怖かったし、……
……ほんとうは。ちょっぴり、帰りたくない、って……思ってたんですけど……」
夜空に輝く星とも燃える炎とも比べ物にならない、電灯の光。
それがこちらに向いていると気づいて、歓喜に見開いた目に明るさが突き刺さる。
「電気ってこんなに眩しいものでしたっけ!?
う~ん、すっかり忘れちゃいましたね、いやはや」
もう叫ぶ必要もない。砂浜に映し出される二つの影ははっきりしているし、向こうから見ればもっとだろう。
つまり。
「……帰れるんですねえ。
とりあえず、電気と船が作れるようなところに……」
その声とともに、あなたの手を強く掴んでいた指から力が抜けた。
金属の船、夜を裂く光。
それはいくらなんでも、この島で作れはしないものだ。
「あっ、外国の船とかだったらどうしましょう!?
カナカナさん英語できます!?」
ごつごつした感触になってしまった手を、ぎゅっと握って。
駆けて駆けて、ようやく辿り着いた真っ暗な水平線。
月明かりに照らされるシルエットを、見紛うはずもない。
「ほ、ほんとに船だ……!
おぉーーい!! こっち、こっちです!!」
同じように。
手を繋いだままぴょんぴょんと跳ねて、
これでもかというほどに、声を張り上げる。
……さて。
月が明るかったからか、本当に声が届いたからか。
或いは、森のなかで燃え続ける聖火の灯りが、
それがもうもうと立ち上げ続ける煙が目印となったか。
遥か遠くから、探照灯がチカリとこちらを捉えた。
船は進路を変え、その陰はどんどん大きく──こちらに、近付いてくる。
気付いてもらえた──と見て、良いだろう。
月齢14.8。8割ほどを残した月が照らし出す、凪いだ海。
果たしてその向こうには――これだけ遠くあってなおはっきりとした、人工物の影が見える。
「居ます……本当に居ますよ!!
お――い、お――――い!!!」
目を輝かせ、女は手を繋いだままのあなたを一度振り返り。
空いた片手をメガホンのように添えて、海へと繰り返し叫ぶ。
「よっし、行きましょう!
ここまで来てはぐれるなんてイヤですもんね!」
笑いながら、差し伸べられたその手を取る。
筋肉痛やら血豆やら、この数日ですっかり元の手とは程遠い惨状と化してしまったが、それもまたこの島で何もかもに力を注いだ証だ。
そしてそれを、今更あなたが嫌がるとも思っていない。
「レッツゴー!!」
逸る気持ちのまま、白砂の浜へ向けて暗い森の中を抜け――
「その通りかもです。
数日前の私に、
“自分でサメをつかまえて、捌いて焼いて食べた”
なんて言っても、絶対信じませんもん」
そうやって冗談めいて笑っていたが、
耳に飛び込んだ汽笛の音が気のせいではないと分かれば、
少女もまた、慌てたように立ち上がった。
火の始末や荷物……は、あとでいい!
「は……はいっ!!」
雨は降っているが、何度も経験した台風に比べれば微々たるもの。
それでも夜の森の視界が悪いことはよく分かっている。
「……いきましょう、ニコせんぱい!」
あなたに手を差し出す。
それを取れば、一にも二にもなく駆け出すだろう。
「汽笛……汽笛ぃ!?」
串を放り出してがばっと立ち上がった。
火の始末もすっかり頭から飛んだ様子で、すぐにでも発てるようその場で既に足踏みを始めている。
「ふふふふ船が来てるってことですよね? 近くに?
行ってみましょう行きましょう!
大大大大大チャンス! ですよ!」
降り出した雨にも構わず、汽笛の聞こえる方角──最初に流れ着いた海岸の方を指して。
自分たちで全部用意したから美味しい。うんうんと頷くのは、今度はこちらの方になった。
「火も串も自分達で用意して、できたものをこうして食べる!
しかもサメですよ、サメ!
変わったものは二人で笑って食べるともっと美味しい!
はは~、無人島じゃあなきゃ味わえない幸せですな……」
けふ。
満たされたお腹と心を抱え、暫し焚き火を眺めて気の抜けた様子でいた。
その耳に飛び込む、遠い、人工の音。