Ino.62 ニューリゾートアイランド島
PL合わせはありません。ゆるゆると、どなたでもどうぞ。RP推奨。
STATS
2人 / 人数
カジュアル / 難易度
スモール / 広さ
OVERVIEW
誰でも歓迎。のんびりRP推奨。途中参加も遠慮なくどうぞ。
チャットとメッセージ
ゲーム中はチャットはALLと同じ表示がされ、またメッセージは公開されません。
エピローグ期間に入り次第チャットは通常公開され、メッセージはゲーム終了後に通常公開されます。
「……そう、ですね。
できっこない、と思ってたら……
できることでも、できなくなっちゃうんですよね」
うん、うん、と頷いて。
それからあなたに倣って、サメ肉にかぶりつき。
「……美味っしい……!」
ぱぁ、と瞳を輝かせる。言い終わる前に、もうひとくち。
「ふふ、ホントは調味料とか足りないと思うんですけど……
ぜんぶぜんぶ、自分たちで準備したんです。
それだけでなんだか、すごく美味しく感じちゃいますね」
満たされるのは、お腹だけではない。
ぱちぱちと音を立てて登っていく炎の先、
広がって瞬く星々の一大パノラマを見上げる。
何を考えているのか、しばしそうやって空を見上げていたが、
……ふと、そのとき。
ボォー、と。聴き慣れない音が、耳に飛び込んで。
「ん~~~~」
海産物の旨味……臭み……
それ以上に、暖かな食事が木の実と貝で生き延びていた空きっ腹に染み渡るッ!!
「……加熱調理……さいこう……」
頬にサメ肉のかけらをつけたまま顔を上げてそんなことを呟き、再び猛烈な勢いでサメを食べ始めた。
今、このニューリゾートヘブンの火の前に、サメは食うものから食われるものとなったのである……
サメ肉がじゅうじゅうと焼けていく音の中に、紛れてしまいそうな呟き。
隠す気もなく大きくうんうんと頷いて、
「びっくりしちゃいますが……これ全部、間違いなく私たちが作ったものですよ!
これ以上頑張ったら頑張りすぎ注意かもしれませんが……私たちはこれくらい! 頑張れるのです!
できっこないをできるくらいには、わはははー」
そう笑っている間に、いよいよ肉は香ばしい匂いを上げ始めた。
渡してもらった肉をまじまじと見て、
「サメ……こんなに美味しそうなんですね!?
ではでは早速、いっただっきま~す!」
Eno.239:金井奏波とEno.254:二重ニコはニューリゾート風サメステーキを食べた! 海の旨味と臭みが口の中に満たされる……!
「……できましたぁ~!!
ほらほら、ニコせんぱいっ!
一緒に食べましょう、今なら晴れてますよ!」
完成!
力強いサメ肉のステーキだ。
調味料は無いけれど、海水を塩代わりにちょっぴり。
案外こういうシンプルなのが一番おいしいのだ。
キャンプファイアー、満天の星空。
BBQとしては、この上ないロケーションだろうか。
「そ、そんな……
私のアイデアというより、あんな不思議な花があったお陰ですし……
……っとと、とにかく! はい、もうひと踏ん張りですっ!」
炯々と燃えあがる炎は、なんだか妙に綺麗に見えて。
けれど今は見惚れている場合じゃあない。
サメの解体は、カタいしグロいし
ヘンなニオイも強いしで、なんだか妙に気力を使ったけれど。
それでもいよいよ、大型のサメ肉がジューシーに焼き上げられていく
様子を見れば、どんどん膨らんでいく期待。
「……露天風呂にBBQ、でしたっけ。
できちゃうものなんですね。
絶対、できっこないと思ったのに。
……私も、もうちょっと頑張ってみようかな……」
肉を焼きながら、そんなことをポツリと呟き──そして。
「素晴らしい! 素晴らしい発想力ですよカナカナさんっ! いよっ! 無人島のエジソン!」
どれもこれもに見える素晴らしい前途は決して妄想などではない。
汗を流し手を動かせば、きちんと現実になるのがその証拠。
貯水槽を据え、洞窟の地面を慣らし、氷の上に藁を敷き、サメの防腐もバッチリ!
そして最後の大仕事、薪を組んで……
「ニューリゾートアイランドの聖火、今! 点火~!」
などと、着火の時はあなたも誘っただろう。
そんなこんなで燃え上がった火は、とっぷりと日も暮れた夜闇の中に明々と燃えている。
「……バッチリです! 最高ですカナカナさん!
残りはサメの白焼きクッキング! 始めましょ~!」
「ふぅっ、……ど、どうですかニコせんぱい!
かなり……いい感じだと思うんですけど……!」
額の汗を拭う。
慣れてきたこともあり、ずいぶん手際もよくなって。
「そしてこれは……
これから開催するサメ肉パーティのためにっ、です!」
ホテル前の一角。
大型の薪を囲うように組み合わせ、大量の火口を一気に着火。
ごう、と力強い赤が薄闇に包まれた空を照らし出す──。
これこそがニューリゾートヘブンの火。
すなわち、キャンプファイアーである。
「……はいっ!」
にっこりと笑顔を見せる。
実際、少女もまた体の節々が痛むし、疲労だって少なくない。
それでも自らの手で、そしてあなたと力を合わせて、
環境をよりよくしていくことには不思議な達成感があった。
「それじゃあ……一緒に、がんばっちゃいましょうか!
それに、あの見つけてきた冷たいお花があれば、
冷蔵庫なんかも備え付けられるかもしれませんし……
お風呂だって! もっと入りやすいように、
水を貯めておけるようなやつだって、作っちゃいましょう!」
気合十分。すっかりたくましくなったものだ。
というわけであなたと共に、何度目かも分からない増改築作業に取り掛かるだろう。
「それならよ~し!
ケガは最初の一日だけにしたかったですからね!
お疲れ様でした~!」
あの最初の嵐の打撲は痛むし、そもそも全身筋肉痛でバキバキなのだが、それはそれだ。
快適になっている、と評されれば胸を張って。
「いや~、作業を始めたら楽しくなっちゃって。
実はまだ途中だったんですよ、せっかくだから猫の手カナカナさんの手も借りたいっ!
あのサメを焼けるくらいのデラックスキッチン、欲しくないですか!?」
そう言って女は手で示したが、あなたは見回した段階で気づいているかもしれない。
暖炉の周りに転がる、組みかけの薪に。
「は、はいぃ……
ちょっと、だいぶ、かなり危なかったですけど、
なんとかこの通り五体満足ですぅ……」
この嵐に乗ってサメが飛んでこなくてよかった。
いやいや、サメが飛ぶわけないじゃないですか。
というわけで、なんやかんやと大騒ぎしながら
大きなサメを拠点の奥へ運び入れて。
「た、たすかりましたぁ……。
あの、釣りを試してみたんですけど、
なんか……釣れちゃって……」
サメって食べられるんですかね?
なんて真剣に悩みつつも、ふと拠点内を見回し。
「な……なんか更に快適になってませんか!?
キッチンまでできてるし……これ、ニコせんぱいが?」
「ギエェ────ッッ!?」
嵐の少なくない島……宙に浮くサメ……つまり答えは一つ!!
そんな間違った結論に達しかけた女を現実に引き戻したのはあなたの声である。
よかった。サメは喋らないし陸へは進出しない。
「ああッッカナカナさん!? 大丈夫ですか!? 食べられてませんか!?
はいはーいご希望は私っ! 喜んで~!
あっなんか倉庫に冷たい花ありましたね! ナマモノならあそこですあそこ!」
わいぎゃいしながらあなたへ手を貸し、えっほえっほと奥へサメを運び入れる……。
もちろん、サメが宙を浮いて襲ってきたわけではない。
そんなB級映画みたいな──B級映画みたいなシマではあるが──そうではなく。
「ニ、ニコせんぱいぃ~……。
手、貸してもらっていいですかぁ~……」
大きなサメを担ぎ上げ、ほぼ隠れて見えなくなっている奏波のか細い声が聞こえてくる。
一般的なサメは体重数百キロに及ぶのだが、細かいことは気にしてはいけない。
「う~ん、やればできるもんですな」
一足先に戻ってきていた女は、ニューアイランド洞窟ホテルをニューアイランドデラックス洞窟ホテルにするための努力に勤しんでいた。
汗を拭き拭き成果を眺めて満足していたところへ、あなたの声が聞こえてくる。
「はいは~い!
おかえりなさいませ! おはようございま~す!
ご飯にする? お風呂にする? それとも私!?」
そのすべてが、今では夢物語ではない。
言い方には問題があるが。
ともあれ女はぱたぱたと洞窟入り口へ駆けていって、あなたを迎えるべく扉を開ける。