勇者は 名前 を手に入れた!
魔王の配下、四天王の一人がいると聞いた海の向こうにあったのは、なんと無人島だった。
……いや、無人島ではないかもしれない。そこには他にも流れ着いた人がいて、あと、人じゃない存在もいた。
何よりも驚いたのは、会話ができたこと。
今まで「こんにちは」って声をかけて、挨拶が返ってきたことはなかった。質問を投げかけて、返答があったこともない。
どんな言葉が行き交うのか未知数な対話は、冒険のはじめの一歩を踏み出した時よりもずっとワクワクする。
ひとまず皆で脱出に向けて活動をするための拠点を作って、それから自己紹介をした。
ヒエンさん、サンカイさん、スノウミさん、ジアさん、ルプティムローノさん、マイナさん、ツヴァイツィヒさん、ツミキリさん……あと、砂浜で見かけた、フォーティーツーさんとフローティングさん。他にもまだ流れ着いている人、あるいはこれから来る人がいるんだろうか。
皆の自己紹介を聞いていたら、俺は自分の名前がないことに今更気付いた。急に自分が何者なのかわからなくなって気持ち悪くなったけど、みんなが名前を考えてくれて、最終的にスノウミさんに『ヤドリ』と名付けてもらった。
ヤドリ。勇者じゃなくて、俺自身を表す名前。
魔王は見当たらないし、近い未来に沈むこの島を脱出する手立てが今の所無いという塞がった状況は変わらないけど……ヤドリと名乗った時、俺はこの世界に、ようやく生まれたような気がしたんだ。
──────────────────────────
ヤドリは レベルアップした!
ヤドリは ちょっと難しい発音の名前 を唱えられるようになった。
ヤドリは 自分の名前 を唱えられるようになった。
ヤドリの 滑舌 が 1 あがった。
……いや、無人島ではないかもしれない。そこには他にも流れ着いた人がいて、あと、人じゃない存在もいた。
何よりも驚いたのは、会話ができたこと。
今まで「こんにちは」って声をかけて、挨拶が返ってきたことはなかった。質問を投げかけて、返答があったこともない。
どんな言葉が行き交うのか未知数な対話は、冒険のはじめの一歩を踏み出した時よりもずっとワクワクする。
ひとまず皆で脱出に向けて活動をするための拠点を作って、それから自己紹介をした。
ヒエンさん、サンカイさん、スノウミさん、ジアさん、ルプティムローノさん、マイナさん、ツヴァイツィヒさん、ツミキリさん……あと、砂浜で見かけた、フォーティーツーさんとフローティングさん。他にもまだ流れ着いている人、あるいはこれから来る人がいるんだろうか。
皆の自己紹介を聞いていたら、俺は自分の名前がないことに今更気付いた。急に自分が何者なのかわからなくなって気持ち悪くなったけど、みんなが名前を考えてくれて、最終的にスノウミさんに『ヤドリ』と名付けてもらった。
ヤドリ。勇者じゃなくて、俺自身を表す名前。
魔王は見当たらないし、近い未来に沈むこの島を脱出する手立てが今の所無いという塞がった状況は変わらないけど……ヤドリと名乗った時、俺はこの世界に、ようやく生まれたような気がしたんだ。
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ヤドリは レベルアップした!
ヤドリは ちょっと難しい発音の名前 を唱えられるようになった。
ヤドリは 自分の名前 を唱えられるようになった。
ヤドリの 滑舌 が 1 あがった。