Eno.468 羽田虎國

無人島にいる

なぜか、無人島にいる。

記憶を辿ろう。
帰り道、俺はトラックに撥ねられた。
「昔から散々いじられた名前の通りじゃんかよ」って思った。
そこから記憶がない。
うーん、辿るほどのボリューム感じゃなかった。

そして、無人島にいる。
これは死後の世界ってやつ?
それとも全部が夢なのかな?
よくわからない。
こわい。
俺と同じように流されてきた人がたくさんいた。
色んな姿の人がいるけど、天使みたいな人もいる。
死後の世界説の方がちょっと濃いかも。

だけど、無人島にいる。
人工物なんてほとんど見当たらない。
あるのはありのままの自然ばかりだ。
自然は恐ろしいってよく聞く。
これが仮に死後の世界だったとしても、死ぬかもしれない。
ギリ死ななくても苦しむかもしれない。
夢の中でも死ぬ可能性あるし、きっともっと苦しいだろうなぁ。
じゃあどっちみち生きるために動かなきゃいけない。
ここにいるみんなと力を合わせて生き延びよう。
この島での終わりが来るまで。

確かなことはほとんど何もない。
俺達は無人島にいる。
それだけだ。