Eno.728 ブランシュ

一日目

村長が
テオをこの無人島に捨てることを選択した。

山々を駆け回る体力はあれど、テオは幼い。
小さな島とはいえ、村と違い何もない。一人で生きていけるか不安だ。

俺は深夜に村を出て、
小さな小舟を使い、テオのいる島に向かった。

俺が村からいなくなったことに気付くのも時間の問題だろうが、
村長は、…祖父は俺のことなんてどうでもいい存在だろう。

前から言われていた、テオのことは放っておけと、
俺はそんな言葉を無視し続けてきた俺なんて。


そんなこんなで島に辿り着き、俺はテオの元に向かうと、
テオはのんきにきのみを食べ、海辺で取っただろうサメを見せびらかしてくるではないか。


あぁなんだ心配いらないじゃないか。

………適応しているテオを見たら、心配できた自分が馬鹿らしく思えてきた。


帰ろうか悩んでいると、テオは俺の服の裾を掴んで


「一緒にご飯食べよー」


って笑顔を見せてくれる。


…もう少しだけ、様子を見てやろうか。






生でサメをそのまま食べようとするテオを止めた俺は英断だと思う。