【-どうでもいい話・1-】
最悪だ。
予定もなく部屋でだらけていたと言うのに、仲間の尻拭いとして駆り出された。
監視対象にこちらの存在を知られただけでも厄介だというのに怪我まで負わされているらしい。
まあ、生きてるんならいいか。
何年経とうと仲間の死は気分の良いものじゃない。
問題はお鉢がこちらに回って来たことだ。
うちの会社は基本的に人手が足りない。それゆえに、オフの俺は格好の代打だった。
逃亡先を絞り追い詰め、慣れた手順で対象に執行をしたまでは良かった。
いつもの通りにそれでおしまい!解散!…のはずだったんだ。
対象は最後の最後、今際の際に呪具を発動させていたらしい。
ぶちぶちと文句を頭の中で垂れ流していたからか…このところの睡眠不足で頭がまわっていなかったせいか。
発動してやっと気付いた俺は呪具が発した光にのまれ、
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「トンネルを抜けたら雪国でした…ってか?」
雪国じゃないしトンネルも通っていないが。
目の前に広がるのは青い空。白い砂浜。煌めく海。
恐らくバカンスとして訪れるのなら物好きや理解できない人種なんかは喜びそうな場所だ。俺は物好きじゃないから嬉しくもなんともねえ。暑い。
…つーか、死んでもいいと思って過ごして来たわけだしこのままここで終わるのも仕方ないとは思う。
任務中に死ぬとか体を壊して死ぬだとかそういうものは予想していたけれど、さすがに南(?)の島で死ぬのは予想の範疇超えてるけどよ。
異界と言うわけでもなさそうだが…どこかに転送する能力の呪具だったのかもな。

「…ま、いいか」
餓死か脱水で死ぬか…想定と少し違うだけで末路が変わるわけでもなし。
もしかしたら他にも人がいるかも知れないが俺には関係ないことだ。勝手に脱出するなり朽ちるなりしたらいいさ。
さすがに、世話になった百目鬼や國見のやつらには少し申し訳ない。
おとぎりの2人組も脳裏に浮かんだが…友人というわけでもないのだし気にしないだろう。