Eno.508 菊月澪

そうして夜の帳は降りる

―― 息苦しい


最近B組にいて感じることだ。
水中に放り投げられ、いつでもいつまでも藻掻いている。
水面は見えない。かといって、窒息死することもない。
揺蕩えば底へと沈んでしまう。己が消えてなくなる。だから、見えない空を目指す。

原因は簡単なこと。
自分が、信じられていないだけ。
周囲が変わったのではなく、自分が変わった。
自己を見失い、足掻いて今を過ごす。
その違和感も、いつか慣れてしまって消えてしまえばいい。
不幸ではない。むしろ幸運だ。上手く生きる術を見つけたのだから。



そんな居心地の悪さを感じていたからか。
なんか……集団漂流しちゃったな……
困ったことに呪術がかなり制約されているらしく、影狼が辛うじて首を出して話しかけられる程度だ。何かをさせることは不可能だろう。


きっと皆は楽しく生き延びるだろうから。
自分は少し離れたところで、静かにしていよう。

だって、何をされるか分かったものではないから。




きっと人は今の自分を。
心底滑稽で愚かだと言うのだろう。