旅日記/1
幸運なことに、同じく流れ着いた遭難者達は協力的なひと達だった。
拠点設営、飲み水や食料の確保もみんなで協力してどうにか回している。
この日記も彼らが共有物としてくれたメモの一片を拝借して書いているものだ。
とはいえ協力してなお現状は口に糊するのが精一杯のようにも思う。
罠を作って、野生の獣や魚を捕まえられるような工夫もしているようだし
少しずつ変わっていくものとも思うけれど。
もしもを想定はするけれど、むやみに口に出したりはしないようにしている。
だからこれは、こうして物言わぬ紙片に書き付けるだけのこと。
もし、仮に、進退窮まるほど困窮するような事があれば。
最初に見付けた手紙のように、この日記を瓶に詰めて海へ流そうと思う。
何処かの誰かに、願わくば、家族の一人にでも届くように。