Eno.186 Leonhard.H.P

一人ではない

流れ着いた場所は環境としては決して悪くはなかった。
港町出身の身に潮風は心地好く、加えて植物も多様に見える。一人で生きていくには申し分ない環境と言えよう。

ただし、今の私は一人ではなかった。
同時期に、おそらくは異なる要因で漂着した面々。資源に限りがある以上、単独で確保できるものは少ない。となれば必然的に彼らとの共同が求められるわけではあるが……
限界に近い環境であれば、この姿を警戒されずに平穏に過ごせるだろうか。

既に拠点はできているが、やはり私には上下が狭かった。
場所の都合も考慮し、基本は野外……海辺の散策に努め、拠点への移動は最小限ととどめたほうが良いと判断した。
きっとその方が私にとっても彼らにとっても都合がいいはずだと信じて。