Eno.508 菊月澪

息を殺して生を刻む

寝床だけはどうしようもないから、ひと眠りするときだけは拠点を使わせてもらう。
それ以外は凡そ独りでなんとかなっている。

水を確保する手段はできた。
雨も恐らく多少なんとかなる。
斧にするための道具はイチローに手渡した。
後は食料問題と水を入れる入れ物問題だ。流石にそろそろ腹が減るのも時間の問題になる。


誰にも頼らず、静かに静かに過ごす。
そうして息を殺して誰からも見つからないように過ごしていく。



大丈夫。
目立たないことは、得意だ。
今までそうやって生きてきたのだ。
幸いこれまで山で過ごし、貧乏生活の経験がサバイバル知識を後押ししてくれている。


影狼は、答えない。
虚狼も、儚狼もいない。

代わりを用意したところで辛いだけだったから、偽善を騙って押し付けた。

生まれて初めて。
自分は、独りぼっちなのだ。