Eno.512 ジェームズ

無題

どうやらこの島に集落のようなものは存在しないらしい。
人間の形をした者たちが何らか彷徨いているが、
この島に現住しているというより、俺同様にこの島に居合わせたといった様子だ。

手際の良い者たちがお粗末な隠れ家を拵えている。
ある程度の数が集まる場であれば獣達を追い払うことは容易いだろう。
もし今の俺の体がただのヒトの状態であるなら、単身獣を相手取るのは厳しい。

奴らの拠点の近場に手頃なウロのある木を見つけた。
大きいが程よく腐っており、材木として奴らに伐採されることもないだろう。
しばらくここで休んでいくことにする。

騒がしい連中だ。


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浜辺で拾ったボトルに船が入っている。

ああ、なんだか見覚えのある船じゃあないか。

アイツが本物のこの船でその辺りに停めていやしないか?
そんなことありえない。

だが遠方に見える岬も、とても

よく似ていた。