Eno.122 春海 日雀

水仙月にはずいぶん遅く

古き人は、名付けることを観測とした。
緩やかに巡る星のこと、季節に吹く風のこと、地を覆う水に氷に草のことを。

数多の星や世界から流れ着いたものを見た。
それは異なる色に輝く、目前に見る星海のように。
輪郭を露わにするにはまだ眩しく、まだ早く、けれどその一つを私は観測した。

ヤドリギとは、困難に打ち克つ葉であると聞く。
その祈りが、われらが門出にも届けばと、願うばかりであった。

水仙月にはずいぶん遠く、ここでの日々も風も、穏やかでありますよう。
それから、遠くある彼らの星もまた。

「ボクは雪童子でないし、
 気候を操るわけではないけど……」


「ここで暮らしてる間はずっと、
 お昼寝できるくらいの気候ならいいなあと思うよ」



「あとは美味しいご飯とかあると最高だけど……」