Eno.737 オオワ=シズ

見知らぬ島

気がつけば白い砂浜に流れ着いていた。
見渡せば、どこまでも続く水平線。振り返ればうっそうとした森が続いている。

どうしてこうなったかを思い返してみる。
たしか、急に空を飛ぶことができなくなって、海に落ちて……。
そのままどこかの島まで流れ着いたらしい。

なにかがおかしい。
試しに羽ばたいてみたが、やはり浮かび上がることもできなかった。
もしかしたらと、身体を大きくしようとしても、ぴくりとも膨らまない。
いつものミルク瓶にいるはずのガイアちゃんもどこかに流されてしまっていた。

一緒に流れ着いていたボトルメールによれば、ここは絶海に点在する孤島らしい。
そして、ここは異世界だとも。

その記述に少しだけ腑に落ちた。
私の身体と能力は、異なる世界に赴くと大きく制限される。
その世界に慣れていけば、徐々に本来の力と身体のサイズに近づくことはできるが、
まだ来たばかりならば、人間さんたちと同程度の身体能力しか持てないだろう。

元の身体のサイズに戻れるようになれば、海を越えることなんて簡単なことだろうけど、
この島が沈むときまでには間に合わないだろう。

そのまえに、なんとか元の世界に戻れる手段を探さないと。


どうやら私以外にも流れ着いたひとびとがいたようだ。
見知らぬ土地でさぞ心細いだろう、と思いきや、
なかなか楽しそうに活動を始めている。
つくづく、命たちは逞しい。そんなこの子たちを愛おしくも思う。
なんとか、護ってあげたい。そう思った。