Eno.322 Type-R

2日目

夜にスレートが漸く発見できて、鉄斧が完成した時は歓声が上がった。
漸くこれで前進が出来るのだと信じてやまなかった。
僕だって、そう考えた。
石斧で木を切り倒すことが出来なくなっていたから、
これで沢山木材が得られて、潤滑なライフラインの形成が行えると思ったんだ。


……でも、状況は悪化の一途をたどっている。
まずネヌが朝起きたら死にかけていて、大層驚いた。
人の子は脆弱だと知っていたけれども、ここまでとは思わなかった。
彼女は何とか動ける程度まで回復したけれども、
こんどは食糧を得るために無茶をしたイザヤがとんでもないことになっていた。
どちらもに薬草のようなものを渡した、少し楽になってくれるといいな。


他の皆も、罠を作ったりと動いているけれども、今の所捕まったような形跡はない。
森の探索に向かうつもりではいるけど、それも1人食いつなぐのが精いっぱいだ。
僕に権能が使えたら、【調整】が使えたら、食糧なんて。


……魔法が欲しい。奇跡が欲しい。
誰も欠けさせたくないんだ、本当に。
【ラザル】の気持ちが解る、歯がゆい思いとは、きっとこういう事なんだろう。

それとも、これが祈りを乞うための儀式だというのか、あいつは。