Eno.759 随聞記

手記5

他の骨董品たちは、外に出ることを望んでいるか?

と、一人にそう、告げられた。

冷静に考えると私も船に乗って人に成れたとして
忌み嫌われる存在であることは変わらない。
そのような私が外に出てどうなるのか。

寝具にもたれると脳裏に浮かぶ遠い記憶。

"正に鬼の所業。聖人のやることではない"
"本当にこれは残して良いものなのだろうか"

私は思えば作られた頃から存在を望まれてはいなかった。
この角は、人にとっての印象が謂わば具現化したのだろうか。

ならばなぜ、すぐに捨ててくれなかったのだろう。