...雨の中...
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「──もしもし、やあ。酷い雨だね。こんな日は花壇が気になってしまうんだ」

「君はどう?」
そうね、昔は確かにそうだったわ。
彼女と作り上げる花壇は楽しかったし、あの頃の僕に大切なのは花ひとつだったもの。
ねぇ、ここの森にもそれは咲いているのかしら。
今気になってしまうのは、私の夢の事よ。
ああ、そう、アヒルだなんて呼ぶの。


「ああ、君は今も随分、幻に逃げてしまっているね」

「何も見えない暗闇なら、僕は君を作り上げられると思ったんだけどなぁ」
私に大切なのはきっと、ずっと、そこに存在しない現実なのだわ。
だからね、もう、言われるがままを、都合の良い様を。
歪めて。楽しく。思うまま。
私、信じていようと思うのよ。

「“ニシュプニケ”だけがきこえるわ」
ほら、今も。外は幸せの音。
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