3日目
飢えも乾きも、あんなにしんどいものだとは思わなかったな。
ぐるぐると身体の中から蝕まれて、命が直接鑢で削られる感覚。
二度とは御免だが、必要ならば請け負う必要があるか。
おまけに朝目が覚めた時は最悪だった、起き上がって活動することすら大儀になるなんて。
それも少しのんびりしながら蒸留器を拵えていれば治ったけれども。
今は凡そ良い感じになっている。腹も水も満たされている。
あまり命が削れていないのが、きっと今の僕の強みだ。
出来れば調子を戻しながら、無理でも現状を維持しないと。
【もしも】で構えていたものはすべて使ってしまったから。
あとはこの身ひとつということだ。
とはいえ、そう絶望的……ではない。
昨日よりはるかに状況はマシになってる。
転機は多分、雨が降ったあたりだろう。
雨水が程々に飲用に適していたから、乾きを満たすことが出来た。
くわえて作っていた罠に獲物が引っかかるようになっていて、食糧もある程度解決した。
酷い顔をしていたネヌもなんとか落ち着きを取り戻していたように見えるし、
倉庫にも貯蔵が出来るようになっていた。
これで雰囲気が少し明るくなるといい。
とはいえ、楽観視ばかりは出来ないけれども。
ここでずっと生活はしていられない。
なんたって島は沈むんだから。
船を作って、脱出の目途を立てなくてはならない。
まあ、それはジーランティスにおける最終目標だ。
脱出パックを抱えて、船を作って外海へと航海する。
――今度こそ、全員乗らないと。
切り詰める状況は終わった。そろそろ僕自身に課せられた課題とも向き合えそうだ。
一先ずイザヤと少し話してみよう。
対話は馬鹿にならない。感情を抱き、こころを寄せる事は。
天使にとって大きな意味を持つのだから。