アスエリオの手記11
シェアテーブルとか道路とか氷室とか
色々なものが出来ていた
やっぱりみんなはすごいなぁ
たくましいなぁ、なんて思う
少し回復した私は離島へ出て
見つけた色々で料理をしてみた
後でみんなに振る舞うんだ
島での生活にも
少しは余裕が出来てきた?
──†──
「アスエリオがいない?」
「……そうみたい。いきなり、消えたってさ」
そこはとある施設の中。アスエリオとよく似た桃髪の少女と、黄昏色の髪の少年が話し合っていた。近くには黄昏色の髪の女の子と、黒髪の少年もいる。
「あの子はいきなりいなくなるような子じゃないわ。きっと何かあったはず。心配……」
「僕の影の力で軽く捜索してみたけれど、忽然と消えてしまったみたいで、まるで何処にも見当たらない。“サザンクロス”のフェリールにも捜索頼んでおく?」
えぇ、お願い、と──桃髪の少女、イルメリアが頷いた。
「フェリールなら、物質を透過出来るしね。人の捜索なら任せられる。
……必ず、必ず、見つけてみせるわ。みんなで此処を出るのよね? あの子が欠けてちゃだめ」
「…………ところでさ、イルメリア」
「なぁに、デイズ」
黄昏色の彼は、相手の紫の瞳を真っ直ぐに見た。
「“この世には、星の数ほども世界がある”って伝承──知ってる?」
人がいきなり消えることは、魔局でなくとも珍しいことではないのさ、と。淡々と彼は語るのだ。
「信じて、待ってみよう。
僕たちが出来るのは、それだけ」
言い伝えがあった。いきなり人が消えるのは、異世界へ呼ばれたからだと。実際に帰還例もあり、彼らにとって、異世界の存在はおかしなことでも何でもない。
「とりあえず魔局長に報告だ。
リーダーはイルメリアだけれど、片割れのことだし感情的にならない? 何なら僕が報告しても構わないけど」
「……私が行く。でもあなたもついてきて」
「りょーかい」
幼い女の子と無口な少年が、その場に残された。
「クロードぉ」
「…………大丈夫だ」
不安そうに見上げるティアリーの頭を、クロードがそっと撫でた。
──†──