旅日記/3

『ただ、子ども達にも背負う荷物を選ぶ自由はあるものね』
確かに何が幸せで何が不幸せであるかは当事者である子どもが決めることだ。
けれど、今この状況で言うならば、彼の考えの方が良識的で合理的だった。

『大丈夫、少しずつ良くなっていくよ。』
確かに状況は緩やかに前進しつつある。
けれど、確証を持って断言できるほどに余裕ができたわけではない。
その事をわかっていながら、それでも私はそう言い切った。
どれだけ根拠が無かろうと、どれだけ楽観的な考えであろうと。
私が思うには。明日をも見えない日々の中に於いて言うならば。
きっと、臆面もなく希望的観測を言い切れる者が一人は必要なのだ。
冷静に現状を見つめ、現実的に考えられる者と同じだけ。