Eno.919 クーツェ・イゼール

遭難日数2日目記録 クーツェ

島での雨は恵みの雨だった。しっかりとした拠点のおかげで雨に濡れることなく過ごすことができた。
ただそれでも水や食べ物は枯渇気味だった。
雨のしけた海に出るのは漁師としては危険が伴う愚かな判断だ。
空腹で死ぬのを待つよりかは行動を起こして何とかした方がいい。
道具を借りて、空腹と喉の渇きが強くなる中、現地で食材と水を確保し、その場で食べる。
釣り竿でなかなかの釣果を上げることができた。

戻ってから拠点をのぞいてみるとその場にいる皆が木材をかき集めたり、雨水を集めたりとやれることをやっていたのである。
持って帰ってきた魚を倉庫に収め、他の人に料理してもらうのである。
雨水を煮沸して作った真水は味は何にもないけどそれはおいしかった。

しばらくして晴れ間が覗いたところで木材が足りない、食料が足りないと動き始め、また倉庫が拡張され、新たな道具がつくられてと一種の村並みの施設が充実していった。

再び雨が降り出したのでまた漁に出かける。生きるためならなんだってする。
程々の釣果を上げたところで一息ついて道具を倉庫へ戻してキャンプファイヤーで毛並を乾かす。
前日自己紹介をしていた遭難者がいたがちょうど出かけていたタイミングで聞き取れなかった。
毛並を乾かしながら、僕が何者か話していった。まだ自己紹介をしていなかっただろう人も同時に軽い挨拶を交わしながら自己紹介をしていくのだった。

2度目の雨がやんでからはそれは破竹の如く施設が充実していく。
倉庫の要領が2倍近くになったり、石臼ができたり、土で作られた窯、水をためるコンテナも大きくなった。極めつけは大型蒸留装置と解体台、桟橋である。
これらはほとんど1日でできた出来事である。

僕も負けてはいられないと思うがひとつ。
怪しいキノコの誘惑に負けないでいただきたい。キノコは危険であると二人ほどが身をもって証明する。