Eno.226 ケリヨト

ここに来る少し前の話 過去8

あの男は私をずっと追ってきた。

殺すつもりならまだ分かる。
人間にはその資格がある。

あの男は私と一緒に旅をしたいらしい。
北部に身を寄せる場所があるって言っていたのにそれさえも無下にして、「お礼」のために私に付きまとってくる。

最初はそれがあの男なりの復讐かと思ったが、どうやら違うようだった。
あの男は己が私に嫌われていたことを理解できていないようだった。

私の行為の是非は見ないふりをして、「従者」だった頃の私、「従順なアルバ」を忘れられていない。
自分の好意は肯定されるべきと信じて疑わない。
自分の快不快のみが判断基準

どこまでもどこまでもどこまでもどこまでも幼稚で傲慢な人間だ。


逃亡生活をつづけて2年。

今度こそ殺してやる、と私は英雄だった男と対峙した。

そして


男に捕まった。