Eno.77 影宮流壺

流壺の手記1


 不思議な島に流された
 記録をつけようと思う

 ◇

 “この世には、星の数ほど世界があるんだよ”そんな伝承のある世界から来たおれにとって、異世界の存在は珍しくも何ともない。だからこれも“神隠し”のひとつなんだろうな

 無人島での生活なんて、体力雑魚のおれに出来んのとか思ったけれど、結構普通に過ごせている。ラジオ体操のお陰かな

 とりあえず怪我人が多いので湿布を量産しておいた。怪我人はおれのところに来い。後は島の食材を集めて料理してた。雨の日は上手く動けないからね

 変わらず、傷は痛むけど。これは一生、背負っていかねばならないものなんだろう。不本意とは言え罪の証、おれはこの手で大切を殺しました

 とりあえず今を、生きていこう