Eno.17 ドリフテッド・ドリカ

『絶海の中に大自然あり! 孤島の環境と生態系に迫る』

「(ここから先は海……となると、やっぱり島ですか。
  この手のサイズの孤島であれば、火山はないんでしょうかねえ)」


「(にしても、素人目で見ても明らかに異様な植生ですね。
  以前の島とは全然雰囲気も違う……うーん……)」


ツール作成の合間を縫って、島の探索と環境の観察をすること数時間。
なんとなく分かって来たこともあれば、未だにわからないことも数多く。

日中の温度湿度や積乱雲を見るに、夏季であることは容易に想像がつく。
推測の域は出ないが、日本からやや南くらいの緯度ぐらいとみてもいい。
……冬季や乾季、乾燥帯や亜寒帯であったら生存は困難だったはずだ。
これは非常に幸運なことである。

砂浜のあるエリアと磯のあるエリア、そして森林のあるエリア。
どれも当然手付かずで、天然ものの自然。

この島に流れ着いたときに拾ったボトルメッセージが曰く、
『この島は不定期に干潮めいて浮き沈みする』とあるそうだが……

であれば森林がここまで豊かなのは気になるところでもある。
本来であれば、海中に沈む島は不毛の地もいいとこのはずだ。
環境適応にて塩生植物めいた耐塩性を獲得しているのだろうか?

何より、その上で野生動物が棲息しているのも納得がいかない。
彼らもまた、独自の環境適応を得たのだろうか……

「(もっと調べたいことは山程ありますが、いちど拠点へ帰りましょうか)」



わたしの飽くなき無人島調査は続く。続くったら続く。