Eno.70 佐々木 真名

(14)

 生きるって大変だ。

普段当たり前のように起きて、顔洗って、ご飯食べて、歯を磨いて、メイクして、制服着て、がっこーに行く。
お勉強して、友達とお喋りして、美味しいお昼選んで、部活して、帰ってただいまって言って。
夕ご飯食べて、ゲームして、宿題して、予習して、シマスタグラムやって、お風呂入って、暖かい布団で寝る。
あ、あと適宜トイレ。

無人島じゃ全部難しい。感傷とか浸ってる暇がない。
でもなんでだろう。そんなに嫌じゃない。

何気ないしあわせが嬉しくて、ほかほかパンはおいしくて、皆優しいし面白い。
あ、勿論不安なことはまだまだいっぱいあるよ。

今更彼が感じてた楽しさに気付いたって思って辛かったけど、何だかそうでもなくなってきた。

何ていったらいいのかな。
彼が強引に教えに来てるみたいな感じだな。


そのほうがなんか、アイツっぽいし。


子供のときからそう。祭りだっていつもあんたに無理矢理連れられてだし、部活だってあんたが強引に見学しようとか言わなかったら帰宅部だったし。

「結局お前、キャンプ一緒にしてくれないでやんの! うわ泣いててだっせ~。皆でバカやりながら生き抜くって楽しいんだぜ、しらねーだろ」

とか? あー……、言いそう言いそう。

悪かったね。私興味ない事にはとことん興味ないの。……こうやって無理矢理押し付けられないと分かんないだっさい人間だよ。
そういうとこが好きだったわけだけどさ。


……。

いや、マジでやらかして死ぬなっての。
ほんと、私もバカだけど、あんたの方が――どっちもどっちか。