Eno.759 随聞記

手記7

私の船で小袖大夫が一人で海に出たらしい。
あの雨の中、海にイカダを運んで。

いつも人に頼る気怠そうな娘が
どうして、そのような行動をとったのやら。

ボロボロになった姿を見て。
私が船を作らなければと少し、心が痛んだ。

手元に最初から握りしめていた治療道具。
恐らくは造る道具の一部。書いた男の記憶。
私の大事な一部。

けれど、使わずにはいられなかった。