Eno.432 シナイ

詩に不要なもの

沈む離宮に残す宝より、友よ
思うべきものを知っているだろう
黄金より輝く麦穂から生まれ
喉を潤すあの貴い命の水のことさ

って、先生はいま四行詩ばかり書かせようとする。
そんで点数を出すの、ほんと良くないと思うよ。
僕も野生に歌いたい、いいな。自由詩。

短歌も好きだ。
夏のサイレン鳴り響く季節が近づくと、人間様達のうち、
特に愉快な奴らが、一晩中ジャガーを燃やす祭りを始めるからさ。
トンチキ騒ぎと短歌になんの関係があるのかって?
それは僕にもわからない。ま、夏だから……。

「あのダンスを眺めるのは好きなんだ。
 今年も開催してくれるといいな」



ああー! 帰れた時の言い訳を考えるの、やーめた!
まだ3日目だけど帰りたくないもん……
楽しい無人島生活が想像以上に充実してる間は、
怒り狂ってる家族の顔とか考えたってしょうがないし。

考えるべきは、嵐で離宮が吹き飛んだ時のメネさんの詩作。
それから倉庫増築しようかなってことぐらいでしょ。
悪魔って蓄財が好きだよね。異論は受け付けておりません。
すぐ溜め込んじゃうし、多分もっと余裕があったら、
武器庫を建ててコレクションも始めてたと思うんだ。

メネさんの詩の通り、僕の一番の武器は角だけどね!
暗器。かっこいいから。ね。