Eno.704 アスエリオ

アスエリオの手記15


材料があったので燻製肉を作った
お腹にたまりそう
食糧を充実させよう
ついでに湿布も作った

  ◇

クロードとの距離が
少し縮まってからの話
デイズが、施設内に鴉の羽根を見たってさ

鴉の羽根 赤眼の鴉
私たちの世界では奇跡の象徴
少しだけ期待しても良いかな
私たちは、いつかここから出られる

奇跡の鴉が力を貸してくれるのならば
頼ろう、縋ろう
闇神、ヴァイルハイネン──
人間好きな、かみさまに

厳重に管理された魔局の居住棟に
普通の鴉は入れない

  ◇

外部から連れてこられた
デイズは物知りだ
私たちの知らない数々の物語を
色々と聞かせてくれたんだ

彼曰く
「僕は勉強が必須な家から来たからね」
とのこと
やがて知った デイズは貴族の家の子

帰る場所があるのに
私たち双子とは違うのに
それでもその瞳には、諦めがよぎっていた
どうして?