Eno.14 神崎 考希

神崎の手記(一歩前進)

書き置きなどでみんなの意見を聞きながら改善を重ねる。
これこそまさにトライ&エラーの形だ。

森林までの道路舗装と少しずつ集まるみんなの情報。
充分な成果であると言えるだろう。

体調を崩す人も比較的減ったように感じる。
石鹸による効果は目に見えにくいが、
きっとみんなの力になっているハズだ。

作業に没頭している時は不安を忘れられるから良い。
どうせ落ち着かなくてあまり眠れないんだ。
必要だと気がついた物を作ろう。
みんなと違って体を動かす事が少ない分、睡眠の重要性は低い。
食事で体力面も補えていると思うし、
島に来る前の生活でも徹夜は日常的に行っていたから平気だ。

確か、ソリが増えた方が嬉しいという意見を聞いたな。
拠点増設の件もみんな乗り気だった。
丁度いいからその準備を始めておこう。

一度しっかり休んだのは離島へ行く前だったな。
元々眠りの浅い俺が珍しくきちんと眠れたのは何故だったのだろう。
……話が逸れた。準備に取り掛かろう。

追記
ソリの制作や拠点増設の準備をしている時に丁度睡眠に関する話題になった。

おうじさんは俺が想像していたより勘が良かった。
少し失礼な事を書いたなこれ。

ヘビスモさんは……いや、書き置きの内容などから
彼女の名前は『ルーシー』だと推測できる。
ルーシーは医学に詳しいからあまり俺の状態を良く思っていないようだった。

睡眠に関して少し前向きに検討した方が良いとは理解した。
でも、違うんだ。何かしていないと不安だし、
横になっても落ち着かないから眠れないんだ。
そう口にすると周りに不安が伝染する。俺は何も言い返せなかった。