Eno.610 エポラ

日記 その11

雨が降っている。
雷の音が聞こえる。

嵐が近い。



ごうごう、雨が降っていた。
波が暴れ、渦を巻いていた。
沖にいたはずなんだ。
岩礁が目の前に近付いて、それで——

………
……




ごめんな、プニ。






◇◇◇


ひとりぼっちの岩場に金切り声の歌声が響く。

耳を澄ます。
骨を打つようなクラック

耳を澄ます。
楽しげな笛の音色

耳を澄ます。
波を掻き分ける 力強いヒレの音

返事はやっぱりなくて、ないけど、
それでも叫ばずにいられない。

ワタシはここだ!ここにいる!
高らかに、悲痛に、歌い続ける。
嵐が止むまで乞い続ける。
高波が、強風が、渦巻がワタシを連れ去ってくれることを。




晴れてもまだ、ここに居るときは
その時は