Eno.694 源柚月

三日目・中のキロク

「ユズキー 家のこと任せた。」
「もぉおねえちゃん…分担ぐらいしてよぉ全部は無理だよ」
「一生養ってあげるからやってよぉ!」
「やだよ早く結婚してよ!警官さんと仲良いじゃん!」


……うたた寝しているときに見た夢。
おねえちゃんと喧嘩する夢。

ミナモトユズキ、フルネームなんてテスト以外で書かないし
ましてやみんなから呼ばれることもない。ありふれたネームより、
上の名前のほうが思春期まっさかりの少年少女たちのウケが良いから。


「…………もどりたいな…」




推しが自分を『特に害もなくかと言って薬でもない』認知程度の世界に
未練がないといえば嘘になる。仲良くなるほど、自分の浅ましさが露見していく。

ふれたい、あいされたい、すきのいちぶになりたい。
くちにふくんでみたい、かんでみたい、いじめてみたい。
ないてほしい、きらいになってほしい、おこってほしい。


「(クズすぎる カス。変態カスボケカス…)」


  ………


「かえりたいなぁ〜………」