月報、特に知らせることはない
ざんざかざあざあ、雨の音。
雨の音、止む前に。
まぶたを閉じてシャットダウン。
───夢を見ている?
──夢ではなくて有る現実。
──おはよ。
◇ ◇ ◇
人というものが宇宙に触れてから何年の時が経ったというのだろうか。
もはや宇宙は人にとって近しい場所であり、新たなる資源の探索地であり、自分の住まいであり、出張先であり、長期休暇中の旅行先である。
宇宙一のターミナルで有るツキステーションは拡張に次ぐ拡張により、今は発見されたその時の姿を保っていない。
端から端まで徒歩だと地球換算で何週間もかかるようなそのステーションからは、辺境の星までシャトルが多く出ている。
無重力と光の速さ。どんな田舎までもすぐに着く。ワープ装置は体に悪いと、このようになるまでに判断されたから。
星の人はシャトルに乗り合わせる。どんな廃れた路線もまた、孤独に人が乗り込んでいる。
大体が目指すは、星の都、首都火星。
──それらを、地に足をつけ、見上げる人々がいたという。