おとぎばなし 積み重ねの魔法
御伽屋 紺は眠らない
眠ったふりでまぶたを閉じ、
皆が寝静まってから起き出して、
人が起きる前に寝床へ戻る。

「……大羽さんの言う通り
奇跡のように見える事象でもそれは一つ一つの過程の積み重ねだ」

「僕の手品もそう。
皆が寝てる間にタネを仕込んでるだけ。
本物の魔法とはほど遠いものだ」

「それならむしろ、この不眠体質の方が魔法じみてるよねぇ。
これはご先祖様からの遺伝なんだって」

「本物の魔法使いだったというご先祖様。
誰もが知ってるおとぎばなしで、嘘かホントかわからない与太話」

「でもホントだって信じたほうが夢があるだろう?
眠れない僕にとって、夢は起きてる内に見ないとね」