そういえば
Pに「君にはウリがないよね」と言われたことがある。
たしかにそうかもしれないな、とは自分でも思っている。
歌とダンスは元々得意だったし、アイドルになってからも猛練習をした。
ファンもついて、念願のセンターを勝ち取ることはできたが、一芸という点においては、他のメンバーの方が秀でている。
他のメンバーは笑いのセンスがあったり、料理が上手かったり、クイズが強かったり、逆におバカだったり……わたしにはそういうものがない。
良くも悪くも器用貧乏なのだ。できないことはないけれど、とりわけできることもない。学校の勉強もそこそこできたから、おバカになることもできなかった。
アイドルは入れ替わりの激しい業界で、ある程度の年齢になるとみんな卒業していく。無人島動画に出ていたメンバーは全員『うずめLily』を卒業して、今は何をしているのか分からない元メンバーもいる。
彼女達が開拓した島は数年前、「アイドルが開拓した島」というのがウリのテーマパークに改装され、観光ガイドに載るようになった。
卒業後、芸能界に生き残り、成功している子、或いは芸能界を離れても、一般人として幸せになっている子はきまって『取り柄』を持っている。
『取り柄』のないわたしは、『偶像』という立ち位置に縋るしかなかった。
高校に入った理由もそうだ。「現役女子高生である」というだけで一応ウリにはなる。高校で学びたいこととかも特になくって、制服がかわいいのと、家から通いやすいのとでハテコーを選んだ。箔さえつけばよかったから、正直どの高校でもよかった。
必死こいて、焦って、わたしなりに色々考えて、努力して。それでも涼しい顔をする。
それが『偶像』の役割だ。どんな手段を使ってでも、『偶像』のエースになってやろうじゃん。
しかし、その『偶像』に縋りつくためだけに入った2-1というクラスの中では、ましてやこの無人島においては、「『うずめLily』のセンター」という立場は存在しない。
そこにあるのは、例えばてくのの発明、ナベくんの料理、上居くんお手製のシャンプー、ミツが撮ってくれた写真、といったものの数々だ。
お風呂に入り、シャンプーの香りを感じれば、Pに以前言われた言葉が蘇ってくる。
わたしには何ができるんだろう、わたしの取り柄は、ウリは、ちゃんとあるのだろうか、と。
どれだけ足掻いても、しがみついても、『偶像』は永遠じゃない。
クラスの皆に、それを教えられているような気がする。


たしかにそうかもしれないな、とは自分でも思っている。
歌とダンスは元々得意だったし、アイドルになってからも猛練習をした。
ファンもついて、念願のセンターを勝ち取ることはできたが、一芸という点においては、他のメンバーの方が秀でている。
他のメンバーは笑いのセンスがあったり、料理が上手かったり、クイズが強かったり、逆におバカだったり……わたしにはそういうものがない。
良くも悪くも器用貧乏なのだ。できないことはないけれど、とりわけできることもない。学校の勉強もそこそこできたから、おバカになることもできなかった。
アイドルは入れ替わりの激しい業界で、ある程度の年齢になるとみんな卒業していく。無人島動画に出ていたメンバーは全員『うずめLily』を卒業して、今は何をしているのか分からない元メンバーもいる。
彼女達が開拓した島は数年前、「アイドルが開拓した島」というのがウリのテーマパークに改装され、観光ガイドに載るようになった。
卒業後、芸能界に生き残り、成功している子、或いは芸能界を離れても、一般人として幸せになっている子はきまって『取り柄』を持っている。
『取り柄』のないわたしは、『偶像』という立ち位置に縋るしかなかった。
高校に入った理由もそうだ。「現役女子高生である」というだけで一応ウリにはなる。高校で学びたいこととかも特になくって、制服がかわいいのと、家から通いやすいのとでハテコーを選んだ。箔さえつけばよかったから、正直どの高校でもよかった。
必死こいて、焦って、わたしなりに色々考えて、努力して。それでも涼しい顔をする。
それが『偶像』の役割だ。どんな手段を使ってでも、『偶像』のエースになってやろうじゃん。
しかし、その『偶像』に縋りつくためだけに入った2-1というクラスの中では、ましてやこの無人島においては、「『うずめLily』のセンター」という立場は存在しない。
そこにあるのは、例えばてくのの発明、ナベくんの料理、上居くんお手製のシャンプー、ミツが撮ってくれた写真、といったものの数々だ。
お風呂に入り、シャンプーの香りを感じれば、Pに以前言われた言葉が蘇ってくる。
わたしには何ができるんだろう、わたしの取り柄は、ウリは、ちゃんとあるのだろうか、と。
どれだけ足掻いても、しがみついても、『偶像』は永遠じゃない。
クラスの皆に、それを教えられているような気がする。


「ここまで記録を読んでくれたそこの貴方は、自己紹介というか名簿のウソ、見つけてくれたかなー?
もし見つけたとしても、そのまま秘密にしてくれると嬉しいな」