Eno.322 Type-R

6日目

ネヌと少し話した。
やはり彼女は、シュパーズと同じ世界の出身であり、
それだけではなく、彼の部下にあたる人だったと察せられる。
僕がどれだけ頭を下げて尽力しても、きっと何にもならないだろう。
最低条件は、彼女と、皆を船に乗せる事。

それが出来なければ、何も。

僕が何と言っても、加害者側の言葉になってしまう。
オリジナルの失態は、僕達が犯したものと言っても違いがない。
だから、事実と、謝罪。伝えるべきは、それだけだ。


離島の探索は続けている。
森と違って香草が随分と見つからないのは困ったな。
しかし花は手に入る、今後は湿布にして渡すべきか。


窯と石臼を作った。
無人島の施設でパンが焼けるようになった。
かつて『オリジナル』は、ここでラザルからパンの作り方を学んだ。
自らの手できちんとした料理を行ったのは、初めての事で。
おいしいというものを理解するための、大きな一歩だった。

別に。僕が彼等の模倣を行う意味はないのだけれども。
――それでも、『ラザル』の思い出は辿りたい。
せっかくこの島に来たんだ、出来る事は、やってみたいんだ。