Eno.508 菊月澪

夜闇に瞬く

―― 日が暮れた空に走る光が、とても美しいと思った


暗闇で輝く光は星や月だけではない。
刹那に瞬き、天を走る雷を見た。
荒れ狂う海は、簡単に命を奪う母の怒りだった。

一種の気の迷いだと思う。
だけどそれが美しくて、今まで見た何よりも輝いていて。
闇を照らす光は、あれほど攻撃的でもよいのだ。

闇夜を瞬く光が暖かなものである必要はない。
光が救いになる必要はない。



学校をずる休みをしたことがあった。
何も考えたくなくてバイトをした。
だけど覚えたのは居心地の悪さだった。
ルールに背いて抱いた感情を、当然の者だと思った。
しかしここで群れからはみ出し、9割一人で生き抜いて。
誰にも過干渉されず、自由に過ごし、自分の好きなことをする。

楽しいと思った。
心から、楽しいと。





もしも世界が終わるときが来たなら。
もう一度、この美しい景色を描いてほしいと願う。





朝が来る。また影狼に分かれを告げる。
次に会うときは、とっておきの成果物を見せてやろう。