Eno.833 アトラス=アガメムノン

6

……クラリスが氷室を建ててくれた。
私も多少ながら協力したが、何故か燃え盛りそうな花にモテモテになった。あの花が取れたのは1輪だけだった。

ロカやヴィニア、クィラ様が頑張ってくれているのはわかるのだが、それだけに私の頑張りが足りないように思う。頑張ってはいるのだが、どうにも実感を持ってから回ってしまう。

先程見た夢はなんだったっけ。
……流刑の地とは思えないくらい暖かい。
流刑の地とは思えないくらい、みなが優しくて。
ここは本当に、私の最後の場所なのだろうか。
泣いてしまいそうだ。あまりにみなが優しくて。

どうして僕は、大罪人になってしまったんだ。

……そうか。この感情の正体は……『消滅願望』
僕は、消えたいと願っていたのか。


いや。僕は消える訳には行かない。ここで消えてしまうのは、無責任だ。
せめて、みんなを見届けて島と共に沈んでしまえたら、
僕は、責務を果たして消えたことになるのかもしれない。

クラリス、ロカ、クィラ様、ヴィニア。
あなた達にあえて本当に良かった。
けれど僕は大きな罪を犯した。それが何か分かった時。みんな、ど  顔  る だろ 。

(以降はなにかの雫が滲みシワとなっており、判読不可能になっている。)