Eno.316 鶴岡 星良々

われら彼方へ繰り出さん 進め果てぬ未来へと

酷暑の中、わたしたちは上居くんとてくのに集められた。
大事な話がある、ということだった。

拠点の食卓を囲んで開かれた『賢人会議マギ・アジェンダ』で、上居くんがいつにもなく真剣な表情で話を切り出した。

全員が乗れる船を作って、
島から帰る支度を始めよう。


と。

てくのの描いた船の設計図も。

わたしはこういう、夢と希望と冒険と浪漫に満ち溢れた計画は大好物だけど、それよりも現実的な不安が付きまとった。

材料は足りる?
運転はできる?
燃料はある?
学校までの航路はわかる?

壮大な計画には、現実的に可能であるという根拠と、適切な人材のマネジメントが求められる。

だからこそ、わたしは試すようなマネをした。
疑うようなフリをした。

でもそれは、わたしの杞憂だったみたい。
ここまでみんなで協力して、無人島とは思えないくらい快適な暮らしができるようになった。
そんなわたしたちが全員で協力すれば、造船は可能だ。2-1ならできると、そう踏んで、計算して提案してるみたい。
必要な資材のリストアップもされてる。
ダメだったときの救援を呼ぶ案まで盛り込まれてる。
ボトルメッセージの送り主も御伽屋くんのお父さんだった。

うん、絶対いけるよ!

わたしばっかり弱気になっちゃって、バカみたい。
選択肢は多い方がいいって散々言ってるわたしが、選択肢に不安言ってどうすんのよってね。

やってやろうじゃん。
孤島脱出グランド・エスケープ』作戦をさ!