Eno.468 羽田虎國

熱気にやられる

信じられない暑さだ。
じりじりと焦がすような日差しに、いつも通りに外へ出てしまったら焼かれてしまいそうだ。
そうは言っても拠点の中も蒸し暑い。
逃げ場がない……。しんどいな。

それでも元気な人はいつも通り元気だ。
片菊とか、ヴァスコのおっさんとか。
そういえば嵐の時も元気だったな。強い。
ただ熱気にやられておかしくなってる説もちょっとある。

メン太さんぬいぐるみがしゃべった。
幻じゃない。気のせいじゃない。
他にも見たやつがいる。
確かにしゃべっていたはずなんだ。
「石……」って。
おそらくトーベが拾ってきたあの不思議な石のことだと思うが、あれがどうかしたのだろうか。
メン太さん自身もあれを見てると何かが浮かびそうだとか言っていた気がするけれど、俺にはよくわからない。

──……。

たまに己の置かれた状況について考える。
仮にこの島を何らかの脱出したとしてだ。
その後の俺はどうなるんだろう。
やっぱりここは死後の世界ってやつで、どこかに連れて行かれるんだろうか。
そもそもここで過ごしたこと全部が夢で、すべてが無かったことになるんだろうか。
考えを巡らせたところで、結局最後までやり遂げてみないと答えは出てこない。
俺はバカだ。
バカだし、不器用だ。
だから思ったままにやるしかないんだ。

……俺も熱気にやられたんだろうな。