Eno.715 岐志 定光

現状について7

嵐を無事に乗り越えたと思ったら、今度は急に耐えられないくらいの猛暑日になった。
それに関してはいぬさんが氷室を作ってくれた(本当に凄い)のでどうにかなりそうだけれど、
この島は僕が考えている以上に過酷な場所なのかもしれない。
今後のことを考えると、やっぱり島の脱出手段の確保など備えはいくらしても良いと思う。


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荷物の預かり番を任せてもらっているからか、作業をしていない間は考え事をすることが増えている。

聞くタイミングを逃してしまってまだ聞けていないけれど、ベルさんや羊さん…それにいぬさんたちは
どこから来たんだろうか?
羊さんやいぬさんはそういった衣裳ということも考えられるけれど、ベルさんに関しては僕が知る限りでは
ああいった姿の人が居るだなんてことは聞いたことがない。

僕がこの島に来た経緯がまだ分からないように、あの人たちがどこから来たのかもまるで分からない。
ここは多分、僕が思っている以上に不思議な場所だ。

それがもたらす最大の問題は”どこを目指せばいいのかが分からない”ということで、
手がかりもなしに進むにはあまりにも心許がないと思ってしまう。

遺されていたメモを信じて船を探すとして、そこから新しい道が拓けたら良いのだけれど。